株式会社モンドデザイン

PLASTICITY———10年後になくなるべきブランド

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約8,000万本。日本で一年間に消費され、そのほとんどが廃棄されてしまうビニール傘の本数である。分解が難しいことからリサイクルではなく、多くが埋め立てや焼却処分されているそうだ。世界的な環境問題となっているプラスチック廃棄問題の一要因にもなっている。この「PLASTIC」の問題を抱える​「CITY」にフォーカスを当て、今後解決されるべき環境問題が近い将来に解決されるという思いを込めて「10年後になくなるべきブランド」を宣言し、2020年に誕生したのが「PLASTICITY(プラスティシティ)」。廃棄されたビニール傘を再利用しているアップサイクルブランドだ。


PLASTICITYには、さまざまなデザインのバッグや小物があるが、その商品の素材は廃棄されたビニール傘だ。材質やサイズ、厚みの異なる素材を人の手で選別、解体、洗浄し、生地として再生させ、製品に使わない傘の骨部分はリサイクルに戻される。再生した生地は、何層にも重ねられ、独自のプレスを行うことにより、窓ガラスに流れる雨のような表情が現れる。雨の日のCITYらしい表情を持つこの生地が「GLASS RAIN」だ。もちろん傘の持つ防水性や汚れに強い特性は残っている。

廃材からつくられた生地GLASS RAIN、一つひとつ大きさが異なるため、素材の使いどころを見極めながら、すべて手作業で検品、裁断されている。しかもビニール傘の部位により厚さも異なることから、熟練した技術が必要となり、一針ごとに慎重な縫製も行っているという。

回収される傘は多くとも、生み出せる商品は少ないのが現状だが、人が安心して毎日使うことができる高品質な製品を届けるには必要な工程で、すべて日本国内でつくられている。

今後の課題は、PLASTICITYがあるからビニール傘を廃棄しても良い、資源を循環できるから捨てても大丈夫、とするのではなく、ゴミを減らすことが一番の目的だということを、なるべく多くの人に知ってもらうこと。それを少しずつ実現できれば、いつかは本当になくなるべきブランドになるのかもしれない。

株式会社モンドデザイン「PLASTICITY」

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